東京駅が大好きになった話

自分は、東京駅が大好きになった。

これは、今日の夕暮れの出来事。社会人の方と会うため丸の内に行き、カフェで着席しようとしたその瞬間、自分は気が付いた。財布が無い。定位置であるポケットに、財布が無い。本気で冷や汗をかいたのはいつぶりだろうか。急いで自分が歩いてきた道を辿ったが、結局見つかることは無かった。

今までコツコツ増やしてきた現金が、こんなにもあっさり消えてしまうなんて。しかも防犯意識がガバガバな自分は、カード類を全て詰め込んでいたのだ。「もういっそのこと死のうかな。汚い人生を捨てて綺麗なサンゴ礁の養分になって皆を感動させよう。」本気でそう思ったが、そこまで行く金すらも無い。放心状態。本当に何もする気になれなかった。

自分は思った、完全に終わった。

その時、携帯から着信音が鳴り響いた。どうせリクルートキャリアかネオキャリアだろう。何も期待せずにでてみると交番からの電話だった。なんと自分の財布を交番に届けてくれたという旨だったのだ。

自分は無宗教だが、強大な何かの存在を感じざるを得なかった。そしてそれ以上に感じたのは、財布を拾ってくれた人への限りなく大きな恩。自分なりに少しでも返そうと、一日一万回の正拳突きを思い立ちそうになった。(ハンタハンター脳)まあともかく自分は、この件で、本当に丸の内が大好きになった。絶対に第1御社に受かり、一生を過ごして骨を埋めたいと思うほどに。

自分は東京駅が大嫌いになった。

その名の通り大便のような街である。なんか急に大規模な停電とかすればいいのに。第1御社もいっそのこと燃えてしまえばいいのに。定位置であるポケットに、PASMOが無い。PASMOは音を置き去りにし、代わりに祈る時間が増えた。しかも最近、定期半年分を購入したばかりなのに。

自分は思った、完全に終わった。

精神をズタズタにされた自分は、帰り道で「もう歩いて帰るかそれともヒッチハイクでもするか.」という気になり、実際に最短の経路を調べ尽くした。どうやら丸の内から徒歩で帰ると11時間かかるらしい。精神がズタボロな自分は、「労働よりか楽やろw」と意味不明な思考回路に陥ったが直ぐに我に返った。

昔から、何かと忘れ物や紛失することが多い人間で中学時代なんて彼女の存在を忘れたくらいだ。

控えめに言って、最悪な弱点だがこれは遺伝子レベルで決定されているのでどう足掻いても対策できなかった。

今は内定よりも定期が欲しい

もう訳がわからない

みんなたすけて